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新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の 治療とリハビリについて

オランダエンラフ・ノニウス社が権利を有しており、オージー技研株式会社は日本語ホームページとして公開することの許諾を受けています。尚、一部製品に関しては日本では発売されていないものがございますが、ご了承ください。

COVID-19 ICU後のリハビリテーションと退院後のリハビリテーション

COVID-19患者とその親族に対する最善のリハビリテーションやアフターケアについての効果研究は現在ありません(14)。COVID-19の理学療法リハビリテーションは、他の感染症(SARS、MERS、その他)のリハビリテーションについての専門家の意見と文献に基づくものです。

幸いなことに、現在関連する専門家たちが全力を尽くしてCOVID-19から回復途上の患者に対する治療についてのガイドラインとプロトコルを作成しています。

退院後の患者や自宅で回復に至った患者向けの理学療法的観点からのアドバイスもあります(22)。

隔離中の患者はeConsultを介して肺理学療法士からの連絡を受けることができます。オランダ医療専門家連盟は、軽度の症状の患者には、一般開業医や在宅ケア、リハビリテーションのプライマリー・ケア専門家のサポートを受けながらの在宅退院を推奨しています。ここで最重要となるのが理学療法による肺リハビリテーションです(19、20、21)。COVID-19患者が入院/隔離後にどの位の期間感染力を持ち続けるのかは未だ明らかではありません(22)。

息切れや痰、咳の症状が続く場合、呼吸器科医に相談し薬剤治療を受けることが可能です(14)。呼吸器科医と肺理学療法士は、安全かつ肺リハビリテーションに参加しているCOVID-19非感染の他の患者からしっかりと隔離されているリハビリテーション環境を準備する必要があります(21)。以下の概要は、COVID-19からの回復後の理学療法と運動関連のPICS用リハビリテーション・プログラムの基礎を成すもので、実際の進行中に個人のレベルに調整し最適なものにしなければなりません。

クリニメトリー(例:理学療法治療関連パラメーター)
ホーグストラット・リハビリテーションのREACHプロジェクトとイタリアのポジション・ペーパーに基づき、COVID-19(8.21)後PICSのクリニメトリーについて次のような推奨事項があります:

  • ◯運動能力/強度:6分間歩行テスト(6MWT)、10m歩行テスト、急勾配傾斜路テスト
  • ◯急勾配傾斜路テストのような機能容量と自転車による運動力測定(亜最大容量)
  • ◯呼吸機能:最大吸気圧と最大呼気圧
  • ◯筋力:MRCスケール、HKK、手持ち式動力測定、モトリシティインデックス

心肺機能の評価(運動能力と機能能力の両方の評価)には急勾配傾斜路テスト(SRT)を推奨します。この評価法は短時間で完了し最大限の機能を発揮せずに済むため、衰弱度合いの高い患者に対しても実施可能です。評価の結果はトレーニング・プログラムに非常に有用なインプットとなり、また、再評価や患者自身へのフィードバックにも使用できます。

急勾配傾斜路テスト(SRT)- 要領 >>

「コロナ肺」

特に集中治療時に人工呼吸器を装着する必要があった患者は肺組織に回復不能な損傷を受けるリスクを負っています。炎症によって肺に瘢痕組織が形成される可能性があります。例えば、瘢痕組織が多く形成されるとスタミナ低下に繋がることがあります(5、21)。退院後も呼吸が制約され続け、セラピー中の患者の負荷を低く保ち続けることが必要となります(9)。COVID-19グループは、平均的なPICSと比較して、回復不能な肺損傷を受ける可能性がより高く、また、より深刻でより長期間の過度な心理社会的ストレスに曝される可能性も高くなっています(精神病罹患のリスクも高まります)。

「ICUで過ごした1週間毎に1~2ヶ月の回復期間が必要となる」と言われることがあります。体調が悪く、筋肉も衰え、内臓も損傷を負った状態となっています。そして、肺にも損傷を負った可能性があり、それは6~9ヶ月経たなければ確認できません(39)。

このように、COVID-19から回復途上の患者に対する治療では、筋力の増強、肺機能・肺活量の改善、有酸素・無酸素持久力の改善が主要なポイントとなります。

EN-DYNAMICとEN-CARDIOのエクササイズマシンの使用により、COVID-19患者の身体的負荷と身体能力の測定と改善が可能です。

EN-CARDIOエクササイズマシンには様々なサブマキシマムな運動テストが標準装備されています。例えば、6分間歩行テスト(EN-MOTIONトレッドミル)は歩行距離、平均速度、歩数、心拍数、最大酸素摂取量、フィットネスレベルについての知見を提供します。BIKE-REHA自転車運動力測定器は身体の持久力の測定に理想的です。この機器には、特に、6分間で持久力を推量する亜最大容量テストのアストラント自転車テストが実装されています。このテストでは、最大酸素摂取量も計算できます。そして、COVID-19患者のように最大負荷に制約が生じている患者には急勾配傾斜路テスト(SRT)が最適です。

EN-TRAINソフトウェアパッケージとの組合せで、測定データとトレーニング・プロトコルを記録し、進捗を治療セッション毎に確認することが可能になります。このデータはレポート形式での表示が可能です(PDFでの印刷となります)。

治療の要約 >>