「入浴順」に悩む場面を減らす、シャワー浴という選択
入浴介助の現場では、入浴者一人ひとりの状態を把握したうえで、事前に「どの順番で入浴していただくか」を考えて入浴計画を組むのが一般的です。
なかでも特に気をつかうのが、感染症や疾患のある入浴者がいる場合の順番調整ではないでしょうか。
・誰を先に、もしくは後にご案内するか
・どのタイミングで清掃や準備をおこなうか
・当日体調に変化があった場合、どのように順番を組み替えるか
こうした判断は、入浴介助そのものとは別に発生する、現場を支える大切な業務です。限られた時間の中で入浴をスムーズに進め、施設全体の運営を安定させながら利用者の満足度を保つためにも、「入浴順の調整」はあらためて見直したいポイントといえます。
今回は、感染対策と入浴順という視点から、機械浴槽選びについて考えます。
入浴順の調整、その負担が大きくなる理由
入浴順を決める際には、まず入浴者の健康状態やその日の体調、入浴による身体への負荷などを考慮する必要があります。さらに施設では、食事やレクリエーション、リハビリテーション、休息時間など、入浴以外の生活スケジュールも並行して進み、入浴に費やせる時間は限られています。
入浴者それぞれの状態に細やかに配慮しながら、できるだけスムーズに入浴を進めることが求められる、という難しさ。そこへ感染症や皮膚疾患など考慮すべき要素が加わることで、順番調整の難易度は一気に上がります。
その大きな理由が、多くの機械浴槽では浴槽にお湯をため、複数の入浴者で共有する形が一般的であること。
お湯を共有する以上、「誰を先にするか」「入浴後に清掃・お湯の入れ替えが必要か」といった判断は避けて通れず、これが順番調整の負担につながっています。
シャワー浴なら、その前提から変わる
そこで見直したいのが、「お湯をためて共有する」という前提そのもの。
たとえば、「セレーノ」や「セレーノ チェアイン」のようなシャワー浴(ミスト浴)なら、肌あたりのやさしいミストシャワーで洗身・入浴ができます。お湯をためて複数の入浴者で共有するのではなく、入浴者ごとに新しいお湯で入浴できるため、衛生管理の負担を軽減できます。
(写真)セレーノ HK-3100
(写真) セレーノ チェアイン HK-3800-S
なかでも、「セレーノ」は寝た姿勢のままシャワー浴をおこなえるため、身体への負担に配慮しながら入浴していただきたい方にも対応しやすい機器です。
(写真)セレーノ HK-3100
お湯を共有しない―― それは、感染症や疾患の有無を理由に順番を厳密に管理する必要性そのものが小さくなる、ということでもあります。
前提が変わると、現場のさまざまな場面がラクになる
この違いが効いてくるのは、入浴計画を立てる場面だけではありません。介助にあたるスタッフの負担、そして予定変更が起きた場面での負担もグッと軽くなり、入浴介助全体がラクになります。
まず計画段階。感染症や疾患を考慮した入浴順を考える負担はなくなり、一人ひとりの状態に合った入浴方法や時間を選びやすくなります。
次に、実際の入浴介助中。
毎回排水したり、お湯をため直したりする手間が不要なため、次の入浴者を迎える準備もシンプルになります。入浴中に失禁があったり汚れが気になったりした場合も、お湯をためていないためその場で洗い流しやすく、対応に迷う場面が少なくなります。
さらに「セレーノ」「セレーノ チェアイン」は、ボタンひとつで浴槽やストレッチャーの殺菌が可能です。衛生面の不安が軽くなれば、その分スタッフの意識は、目の前の入浴者の表情や体調、声かけへと向きやすくなります。
(写真) セレーノ チェアイン HK-3800-S/殺菌ボタンを押すと薬液を混入したシャワーを吐出。薬液吐出後の洗い流しまで自動で完了。
さらに、体調変化などにより、やむを得ず急な予定変更が生じた場合。
その場合も、感染症や疾患を踏まえて順番を組み直す負担が小さければ、当日の流れに合わせて柔軟に対応することも難しくありません。
「お湯を共有しない」というシンプルな仕組みの違いが、事前の計画・現場の介助・変更への対応という、全体の負担をまとめて軽くしてくれる。そう捉えることができるのではないでしょうか。
順番に悩む場面を減らして、入浴介助にゆとりを
入浴順の調整は、感染対策と円滑な運営を両立しながら、安全な入浴介助をおこなうために欠かせない業務です。ただ、考慮すべき条件が増えるほど、順番を組む負担は大きくなっていきます。
シャワー浴のように、そもそも湯を共有しない仕組みを選ぶこと。それも、順番調整そのものに悩みにくい環境をつくる一つの方法です。
機械浴槽を選ぶ際には「入浴順に悩みにくい環境」をつくれるかどうかも、判断材料のひとつにしてみてはいかがでしょうか。