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新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の 治療とリハビリについて

オランダエンラフ・ノニウス社が権利を有しており、オージー技研株式会社は日本語ホームページとして公開することの許諾を受けています。尚、一部製品に関しては日本では発売されていないものがございますが、ご了承ください。

COVID-19 リハビリテーション治療の要約

◯1週間に2~5回の治療を推奨します。その内、筋力トレーニングを2~3回行ってください。増加させていく事項の順番は、第1にリハビリテーションの頻度、第2に時間、第3に強度です。REACHは、40~50%HRmaxの非常に低い強度で最初の持久力エクササイズを行うことを推奨しています。トレーニング強度は、予備心拍数に基づいて通常40~60%、または修正ボルグスケール上で4か5スコア(COPDガイドライン)、または、最大心拍数の50~80%(心臓リハビリテーションガイドライン)としてください。持久力エクササイズが可能ではない場合は、代替として筋力トレーニング(筋持久力)か場合によってはインターバルトレーニングに重点を置くこともできます。

◯筋力トレーニングのリハビリテーション頻度は週2回です。まず1RMの50%を選択することもできますが、恐らく1RMの30~40%を2週間かけて行いビルドアップすることも良いです。一般的には、1RMの70~80%で10~12回を2~3セット行ってビルドアップします。

◯肺に問題があることがはっきりしている場合、ホーグストラット・リハビリテーション・センター(オランダ)では、肺のリハビリテーションに特化した設定を推奨しています。しかしながら、身体的制限は多くの場合、多因子性の原因があり、肺の制限は定期的に重要な役割を果たします。

◯プライマリ・ケアの中で自身の持つリソースやスキルが何であるのかを自覚しておくのは理学療法士にとって大切なことです。他方、何について追加研究が必要なのかを把握し、適時、助言したり病院を紹介したりできるようにすることも重要です。また、理学療法士は、心理学者や栄養学者など他の分野の(COVID-19の影響について知識を有する)専門家が参加するべきであるかどうかについての判断もできる必要があります。

◯肺機能障害の後遺症のある非感染性のCOVID-19患者の運動療法/運動指導は、過去に呼吸障害のある患者の治療経験を有する医療専門家によって行われる必要があります(17)。

◯理学療法の指導期間が最終的にどの程度の長さになるものかについてはまだ知られていません。KNGF(オランダ理学療法学会)のCOPDに関するガイドラインには次のような解説があります。長期(12週間を超える期間)にわたるトレーニング・プログラムを行った後の方が良い効果が長く持続するといういくつかの研究がある一方、もっと短期(4~7週間)のプログラムでも臨床的に意義のある進歩があると考えられています(18)。治療を進めるのに併せて、症状や筋力、運動能力、日々の身体活動、自己管理(粘液除去の有効性を含む)について反復的に評価を行う必要があります(18)。

◯閲覧可能な文献に拠れば、リハビリテーション・プログラム終了時に経過観察の予約を行うことが推奨されています(18)。プログラム進行の遵守と自己管理を改善するための患者の教育は理学療法の不可欠な部分に他ならないことがKNGFのCOPDに関するガイドラインで述べられています。

◯トレーニング・プログラム中は身体活動の促進を図ることが重要です。運動能力や粘液除去を改善する種々の治療を提供するのに加えて、理学療法士は問題解決型のアプローチにも取り組んでみる必要があります。そして、患者と協力して、患者の自立した活動的なライフスタイルを構築することを試みなければなりません。積極的に関わって行くことの目的は身体活動基準を患者が満たせるように、そして健康状態を改善しそれを維持できるようにすることです。この目標を目指して、アメリカスポーツ医学会とアメリカ心臓協会の高齢者向けの提言の趣旨に沿って進めて行きます(13)。